プロトタイピングキャンプに参加して

今日はNRI新生銀行の共同事業ICJが主催する「プロトタイプキャンプ」というイベントに参加してきた。

「プロトタイピング」とは自分たちのコンセプトや想いなどをベースに、それを手を動かしながらカタチにしていくというプロセスのこと。

このイベントでは、自分の取り組みたいテーマをピクトグラムで表現したり、幸せにしたいユーザー像を描いて、そのユーザーのインサイトと呼ばれる本人も気付いていない驚くべき本音や、外からは分からない潜在的な心の動きを掘下げ、そのインサイトを満たすアイディアを創造したりしていった。

頭と手をたくさん動かし、かつ、モチベーションの高い参加者やファシリテーターからフィードバックを貰えたこともあり、イベント自体はとても楽しかったものの、いまの自分の限界を思い知らされる機会にもなった。

まず一つ目は、「本当に幸せにしたい人」問題である。イベントの中では上記のように「自分が幸せにしたい特定の人」を1人決め、その人のインサイトを探り、そこから具体的なアイディアを出していく。この「自分が幸せにしたい人」を決めることが、自分にとっては難しかった。ある程度までは描けるものの、「本当に幸せにしたいのか?」「なぜその人なのか?」と問われると、どうしても思考が止まってしまう。

僕の考えでは、「本当に幸せにしたい人」に出会うためは、自分と深く繋がった上で、そこから人や周囲とも繋がり、結果、貢献したい人が「浮かび上がってくる」という一連のプロセスを経る必要があるように想う。特に「自分や周囲と深く繋がる」ことがキーになると考えている。僕はどうしてもこの部分が苦手なのである。

そして二つ目は「インサイト深堀力問題」である。インサイトを見つけていくというプロセスも思った以上に難しい。特に思い入れのある対象者だったりすると、自分の願望や期待が入ってしまい、インサイトが歪むのである。

最後は「ブレイク ザ バイアス問題」だ。ソリューションを考える際にどうしても普段の仕事の概念や前提が出てきて、それに引っ張られてしまうのである。僕の場合では、ソリューション案として出てくるアイディアがワークショップばかりになってしまい、正直、自分でも辟易した。最後にはWEB系のアイディアも絞り出したが、それでも「どこかで見た何か」感を拭い去ることができず、不完全燃焼感が残った。

自分の持つ前提を保留し続けながら、課題意識や本当に貢献したい人を深く深く掘下げ、ソリューションを浮かび上がらせる、これを一言で表現すると「イノベーション思考」になるのだろうが、言うは易し、行うは難しだ。スキルだけでなく、センスも必要な分野であろうだけに、ノウハウだけで身につけることは難しいだろう

この分野、しばらく探究のテーマとしたい。

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