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若者の3割「できれば働きたくない」は本当か?

geralt / Pixabay

先日、若者の3割が働きたくないとする調査発表がありました。僕もちょうど同世代なので、気持ちはよくわかります。むしろ思ったより少ないな、という印象です。

ただ、本当に若い人が働きたくないと思っているかというと、それは違うというのが僕の考えです。若い人が表面的に「働く」に求めていることと、潜在的に求めていることのズレが大きくなってきているのだと僕は考えています。

働くことで得られるものは、大きく2つあるのではないでしょうか。一つはお金、もう一つはやりがい、生きがい、意義です。若い人が潜在的に求めているのは後者なのですが、そう簡単に得ることができないため(本当にそうかは疑わしいですが、ここではそう考えている人が多いという意味で)諦めも混じり、無意識的に金銭的価値にのみフォーカスしているのが現状だと見立てています。

金銭的価値にフォーカスした「働く」は「しない」方が得です。だから「働きたくない」になるのです。一方で、やりがい・生きがいは「やる」ことで初めて得られます。

つまり、若い人が本当に得たいものは「働く」ことで得られるのですが、それはそれで苦しみを生むため、その苦しみを避けるために「働かない」選択をしているのです。

やりがい・生きがいを得るためには、自分を懸ける必要があります。自分を懸けて、返ってきたものが「やりがいや生きがい」だからです。やりがい・生きがいは先には得られません。

ここまで書くと、僕が若い人に厳しいように感じられるかもしれませんが、実はそうでもありません。「やりがい・生きがい」が感じられにくくなっているのは若い人のせいというよりも、会社・職場の問題、ひいては社会構造の問題だと考えているからです。

人の集団意識は、社会的なものに大きく左右されます。一人ひとりは自分の意思で考えているつもりでも、その意思は社会との繋がりを通じて作られるからです。

社会構造はそれこそ革命でも起こらない限り、いきなりは変わらないため、会社や職場単位での活動を行っていくことが、解決に向けた道筋なのではないかと思います。私見ですが、社会構造の変化を希求するのがイノベーションやリーダーシップ、会社や職場単位での変化を希求するのが組織開発なのではないかと見ています。こう考えると、まだまだ浅いですが、イノベーションやリーダーシップ、組織開発への期待が高まっている時代背景やメカニズムが整理できます。

以上が僕の見立ててです。そもそも冒頭の調査結果は、現状の社会構造の限界を現したものであり、若い人への個別アプローチではなく、会社、社会を視野に入れた統合的アプローチが必要なのです。ただ、このアプローチは面倒くさいです。たぶん会社単位だけではその面倒くささに耐えきれないため、面倒くささを分かち合う社会的なムーブメントにしていくことが求められるのではないでしょうか。社会的なムーブメントを作っていく活動に一人ひとりがどれだけ取り組めるかが突破のカギなのだと思います。

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