以前参加したイベント「CCC presents 第三の道【第15回】生きる力につながる☆放射能講座 by 映画監督 鎌仲ひとみさん」がきっかけで生まれたプロジェクトのキックオフミーティングが先日行われ、僕も参加してきました
なぜ私たちはこの場に呼ばれたのか?
初回の今回は「まず自分たちがなぜこの場にいるのか?」のストーリーテリングからスタートしました。
僕は小学生の頃に福島第一原子力発電所を訪れていたこと、大学時代にドキュメンタリー映画や作家のフィールドワークをしていたことなど、いろいろな出来事が繋がりあって、今ここにいることをシェアしました。
皆、この場に惹きつけられる何かがあり、そして、テーマゆえか、それをシェアしにくい場面もある、しかしここでは自分の想いを自由に話せる、そんなことをお互いに分かち合ったところから場が開き始めました
やがて、鎌仲さんたちと話し合う中で、「正しい・間違っている」世界観から「分断・分離を超えた」世界観のシフトからアクションを生み出せないか?
そんなテーマが立ち上がってきました。
ソーシャルイノベーションを阻む壁とは?
このテーマは、先日のイベントレポートでも記したように、複雑性の高さゆえに、「正しいor間違っている」、「救う側or救われるべき側」など、あっという間に二元論に飲み込まれてしまいます。
二元論は分離・分断を生むので、全員が納得・共感する解決には至りません。さらに、その不満感や不安感が新たな分断を生み出してしまう「負のループ」がつくられる構造を持っています。
鎌仲さんのお話によると、政府との交渉や話し合いなどは、ほぼこの二元論の世界観で行われてしまっているとのことです(想像に難くありませんが)
そして、お互いに疲弊し、不毛な儀式となってしまっているところも多いとお伺いしました。ただ、逆に考えれば、そんな現状であれば、話し合いの場を変えるところからスタートしても、一定のインパクトは生み出せるのではないか?
僕はそんな感覚を覚えていました。
ダイアログから湧き上がった知恵
それは一緒にいたメンバーも同じだったようで、「まず話し合いの場のデザインからスタートしては?」というアイディアが誰ともなく場に出されました。
「まずは机の配置から変えてみよう」「その場にいる人だけでなく、遠方にいる人も参加できるようにWEBを使って、会場の様子をリアルタイムで配信することで、遠方にいる人も会議に参加できるようにして、いろいろな声を拾えるようにしよう」、こんなアイディアが次々に出てきました。
こうやって書くと、すごく平凡に見えるかもしれませんが、その裏には、それぞれのメンバーの培ってきた叡智がふんだんに織り込まれているので、実は質の高いアクションばかりです。
初めて顔を合わせるメンバーが多く、かつ、初回の場であるにも関わらず、こんなやり取りができる背景には、やはりお互いが深いところで繋がっているからこそで、共創という言葉がこれほどしっくり来る場面を久しぶりに経験しました。
「このプロジェクト、すごいことになりそうだな」僕が部屋を出るときに浮かんできたのはそんな言葉でした。
良い・悪いではなく、全体性を土台とした世界観から社会の変革に携わることができる、そんな機会をいつか創りたいと思っていました。
まだまだ一歩目を踏み出したに過ぎませんが、今回のプロジェクトはそのプロトタイプになってくる予感を抱いています。
僕自身も、これまでの経験や培ってきたものを出し惜しみせずに注ぎ込みます。