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「クリーン・ファシリテイター養成講座」を修了しました

ronymichaud / Pixabay

3月末に、2ヶ月間受講していた「クリーン・ファシリテイター養成講座」を修了しました。

こちらの講座では「クリーン・ランゲージ」と呼ばれるファシリテーション手法を学びます。「クリーン・ランゲージ」は自分の価値判断を入れない「クリーンな問い」を使い、クライアント自身が気づきや洞察を深めていくコミュニケーションの手法です。ファシリテーションやコーチングで活用することができます。

 

で、クリーン・ランゲージは何に効くのか?

ファシリテーションやコーチングで起こりがちなのは、ファシリテーターやコーチの前提を含んだ進行や問いかけにより「クライアントが操作されている感覚」を抱くことです。この感覚が場に高まると、操作や支配から抜け出すことにクライアントの力が注がれてしまい、本来の目的は達成されません。

一方、「クリーン・ランゲージ」は、ファシリテーターやコーチの前提は入らず「操作されている感覚」を感じることなく、自ずと気づきを得ていくことができます。

 

クリーン・ランゲージを実際に使ってみた・・・

また、この講座に参加することで、場の「クリーンさ」により注意が向くようになりました。場がクリーンだと、物事が自然と前に進みます。一方で、場がクリーンでないと、物事が思うように動かなかったり、想像以上にパワーが掛かったりします。

例えば、先日こんなことがありました。ある商談でお客様が問題視している状況を語りだしました。問題は参考情報にはなりますが、それを聞いたからといって物事が解決するわけではありません。必要なのは「どうすれば解決するのか?」に関する情報です。ただし残された時間はあと5分だけ。全てを聞くのは困難です。

この場面でよくありがちなのは、自分がお客様に論点を提示してしまうことです。具体的には、「ご状況はわかりました。この場合、この点とこの点がポイントになりそうですが、いかがでしょうか?」のようなコミュニケーションです。

こういう問いかけをすると、多くの場合「はい、おっしゃるとおりです」とお客様は返答します。本当に「おっしゃる通り」であれば問題ないのですが、だいたい自分が予想もつかなかったポイントが潜んでいます。そしてそれをわざわざお客様は口にしません。面倒くさいからです。これが「前提を持ったコミュニケーションの怖さ」です。

 

ここで、場面を元に戻します。お客様が一通り話し終わったあと、僕は「ご状況は分かりました。では、何があると、解決に向かいそうですか?」と質問しました。この問いかけ、正確には「クリーンな問い」ではなく状況に合わせてアレンジしたものになりますが、クリーン・ランゲージのエッセンスを用いたものです。

すると「そうですねー、ここがこうなって、あれがこうなってくれるといいですね」とすぐに答えが出てきました。(実際は具体的な言葉で返ってきました)あれだけ問題を語っていたので、ここまでスムーズに出てくるとは思わず、僕もびっくりしてしまいました。

お客様からの答えについて、いくつかの点を確認したのち「では、次回ご要望を踏まえたご提案をお持ちしますね」とまとめて、商談は終わりました。時間もピッタリでした。

このやり取り、一見ふつうのやり取りですが、「クリーン・ランゲージ」を用いると、このような状況を意図的に創り出すことができます。

質問法を習得したことも大きいですが、今回のケースのように「場がクリーンか否か?」にアンテナを張り、介入できるようになったことが、今回の講座にて手に入れた最大の収穫と考えています。

 

クリーン・ランゲージセッション、スタートします

というわけで、講座を修了したこともあり、クリーン・ランゲージのセッションを提供できるようになりました。時間はテーマにも拠りますが、60分程度。対面ないしウェブ会議ツールを使って行います。しばらくはモニターセッションということで無料にてご提供します。ご希望の方はお気軽におっしゃってくださいませ。

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