「驚く力」を養う

僕の好きな作家の1人、名越康文さんの新作『驚く力』が出版されたので早速読んでみた。期待以上の本だった。類書があまり見当たらないからだ。

名越さんの本、実は1年前ぐらいから読み始めている。心理学と仏教を織り交ぜながら、専門家でなくともエッセンスが理解ができるよう、分かりやすく書かれていることが名越さんの本の良さである。

今回の『驚く力』は一見平凡で退屈に感じてしまう日常を豊かに生きるコツが紹介されている。(本書では『驚く力』とは「世界に秘められた豊かな情報をできるだけ損なわず、自分の中に取り入れていく力」とある)

本書に拠れば、「驚く力」をつけるためには、自分の心を整え、自己の中にある創造力を発揮していく必要がある。しかし、この創造力の発揮は、ある意味自己をさらけ出すことになるので、リスクを伴う行為でもある。そして、この本が優れている理由はこのリスクとどう付き合っていくかについて、きちんと書かれていることだ。

自己の創造性を拓いていくために通らなければならないステップをここまで詳しく丁寧に書かれている本にはあまりお目にかかったことがない

日常を豊かに生きたい、自己の中にある創造性を発揮していきたい、日々を落ち着いて暮らしたい、などのニーズがある人には役に立つ本になるだろう。おススメです。

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