ワークショップデザインにおけるプロとアマチュアの差

ファシリテーション
Jedidja / Pixabay

今日はWSD(青山学院大学ワークショップデザイナー育成プログラム)2日目でした。今回の目玉は平田オリザさんのワークショップです。

演劇系のワークショップはお試しで何度か受けたことがあり、その時の経験から「パワフルだけど人を選ぶな〜」という印象を持っていました。しかし今回のワークショップはきちんとデザインがされており、かつ、平田オリザさんが場を観ながら即興的かつ丁寧に進行を変えることで、身体系やコミュニケーション系のワークショップでありがちな「唐突感」や「急激なジャンプアップ感」を抱かずに参加できました。

この背景には、ハードルの高い環境下でワークショップを実践されてきた経験が大きく影響しているとのことでした。今でも中学校などに行って、中学生相手にワークショップをするとのことで、そこではかなり苦労をしながら、ファシリテーションをされているそうです。

「最近の子はテレビを観ているということが恥ずかしいんです。本当は観ている癖に親が観ている、なんて言うんです。だからいきなり好きなテレビ番組は?なんてテーマを持ち出してはダメです」と今日の講義でも話されていて「さすがよく観ているな〜」と感じた次第です。

コミュニケーションの専門家であるからこそ、コミュニケーションの難しさを熟知されていて、アマチュアワークショップデザイナーにありがちな、安易なアプローチや表層的な方法論に逃げることを戒めてくださったように思います。

僕の思うワークショップデザインに関するプロとアマチュアの差も、一つはこの「丁寧さ・繊細さへのアンテナ」にあると考えています。特に僕のメインフィールドである企業教育の場は、提供者側も、コーディネート側も、受け手側も素人であることが多く、ムチャクチャなデザインがまかり通りやすい環境にあります。

特にひどいと感じるのが「主体性を発揮させる」「当事者意識を持たせる」「リーダーシップを発揮させる」などの「〜させる」系です。まだ自覚的に使われているのならどうにかなる余地がありますが、無自覚に使われている場面に出くわすと、最近は身と心が拒否反応を起こすようになってきたので、極力この手の案件や仕事には近づかないことにしています。

今回のワークショップを受けて、より丁寧に、より繊細にワークショップをデザインし、リードしなければ、という思いを強く持ちました。

さて、来週も講座があります。その様子はまた来週、レポートしてみたいと思います。

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