本日、大人の発達心理学ゼミの最終回が終了しました。数ヶ月間の講義を経て、成人の成長ステージに関する理解が深まりました。
この講義を受ける前は、ただ知識として知っているレベルであったのでした。でも、今では、成長ステージを測定した上で、成長支援に向けたある程度のコンサルティングであればできるようになったという手応えがあります。もしご興味があるという方がいらっしゃれば、お気軽にご連絡ください。
さて、表題の件についても触れてみたいと思います。
人の内面が発達していくプロセスの中では、自己の内面でありながら、嫌悪する一面を扱っていく場面があります。例えば「本当はもっと人と仲良く明るく接したいと思っているのに、人と接するのが怖く感じて、そう振る舞えない」などのケースです。
この場合、自分の中には2人のパーソナリティが存在します。1人は「人と繋がりたいと感じている自分」もう1人は「人と繋がることに恐れを感じている自分」です。
この2人が葛藤している限り、持続的に「人と仲良く明るく接する」ことはできません。最初は自分を動かすことができていても、どこかで無理が生じ、動きが止まってしまいます。
葛藤を解消するには、この2人を統合していく必要があります。ここで言う統合とは「両者の存在を認め、調和や共存を図ること」という意味合いです。つまり「どちらも存在して良い」という心持ちに立つということです。「人と繋がりたい自分」が「人と接することを怖がる自分」を吸収すること、では無いのです。
ありたい自分が、もう1人の自分を「厄介な存在」と捉えている限り、統合は起きません。「厄介なもう1人の自分も在っていい」となって、初めて統合が起こります。
よって、内面の発達を促進していくには「厄介な自分の存在を認められるようになること」がカギになります。
では「厄介な自分の存在」を認めるにはどうしたら良いのでしょうか?これは様々な方法論がありますが、一つは「厄介な自分が本当に得たいと感じていること」を自分に問い掛けてみることです。これはNVCというメソッドの応用です。
- 作者: マーシャル・B・ローゼンバーグ,安納献,小川敏子
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- 内面の発達と自己受容には強い関係がある
- 内面の発達を促進するには「厄介な自己」を受け入れていくプロセスが必要
- 「厄介な自分」を受け入れるためには「厄介な自分が本当に得たいと感じている事」を明らかにしていくと良い