今週の土日は、社団法人プレゼンシングインスティチュートコミュニティジャパン(PICJ)の合宿に参加してきました。こちらはU理論の日本での啓蒙と社会的な実践を目的に立ち上げられた団体です。
といっても、僕は所属しているわけではなく、合理的な観点からは参加する理由も意義も見当たりませんでした。しかし、その謎は合宿が深まるにつれ、徐々に見えてきたのです。
もともと、今回の合宿はPICJの今後について話し合い、ビジョンやミッションを再構成するというような位置付けでした。しかし、当日に用意されたのは、参加者全員で初めと終わりに一言ずつ話す、という段取りだけでした。
参加者全員で場を紡いでいく中で必要な対話を創りだし、時には自然に身を任せつつ、何かが現れるのを待っていました。
やがて対話が深まっていくと、一つのビジョンが姿を見せ始めました。それは「PICJは自己組織化された組織である」ということでした。自己組織化された組織とは「権力を持つトップが不在でありながら、メンバーひとり一人の自由意志をリソースに活動が活性化され、力を保持、拡大させつつ、分散化していく組織」のことです。
このビジョンから、過去、現在、そして未来のPICJを観ていくと、とてもしっくりきたのです。これまでさまざまな組織論や組織開発論に触れてきましたが、このような組織のかたちを目の当たりにしたのは、今回が初めてでした。
自己組織化された組織というのは、参加と不参加の境界があってないようなものです。境界が極めて曖昧なのです。僕も当初はPICJのメンバーではない、という意識の方が強かったのですが、合宿に参加していくうちに、自分もメンバーの一人なのだということがわかってきました。
このプロセスに身を置けたことは、僕にとってかけがえのない経験になりました。未来の組織像を探究するにあたって、大事なリソースとなりそうです。いまの仕事へのヒントも得られました。これからが非常に楽しみです。