ここ数日、インテグラル理論の研究をしています。と言っても本を読んでいるだけなのですが、それでも発見がたくさんあります。今日は研究の中での気づきについて紹介します。
気づきとは、組織変革の際に必要な心構えです。早速ですが引用です。
共同体へのアプローチにおいて重要なのは、その行動論理を変化させたり、進化させたりすることではなく、それぞれの行動論理が健全なものになるよう支援することである(『インテグラル理論入門Ⅱ』より)
少し補足をします。
「共同体」については、チームや組織と置き換えてしまって問題ありません。また、 「行動論理」とは、チームや組織が動くメカニズムのようなものという意味合いです。論理とありますが、感情的なものも含まれると思います。
この引用文におけるポイントは「変化させたり、進化させたりすることではなく、健全なものになるよう支援する」です。
マネジャーやコンサルタントでよくありがちな関わり方は、現状のチームや組織を「悪いもの」と捉え、「改善する対象」として見立ててしまうことです。
しかし、この見立てをしてしまうと、大抵の場合うまく行きません。それは悪いものとして捉えられている側が、感情的な反発を意識的・無意識的に起こすからです。
だから「変えよう」として関わるのではなく「変わる支援をする」という姿勢で、関わることが望ましいのです。
ただ、これは単なる自発性に任せれば良いという話でもありません。ここでのカギは「健全」の捉え方です。
例えば、その組織の中だけで見れば「健全」に見えるかもしれないけれど、競合他社から見た場合、業界全体で見た場合、ひいては社会全体で見た場合にも同じく「健全」と言えるのかは別だというケースは往々にしてあると思います。
ただ自分たちの視点だけで「健全」かを安易に判断するのではなく、幅広い視野で見た場合にも「健全」と言えるかどうか、という姿勢で関わることが、プロのマネジャーや組織変革コンサルタントには求められます。
もちろん今の自分が完璧に出来ている訳ではないですが、今後も大切にしていきたい姿勢なのでブログに書いてみました。
※以下参考文献です
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