この3ヶ月は、色々な人の営業活動に同行させてもらう機会が多くありました。その中で、途中から「営業パーソンとして継続して成果を出すためのコツ」のようなものが浮かんできたので、今日はそれを言語化していきたいと思います。
そもそも、営業活動は仕事の中でも形式知化しにくいものと言われています。それは、営業としての成果は、行動がダイレクトに成果に結びつくのではなく、文脈に依存する割合が他の仕事よりも多いからだと考えています。ちなみに、先日の赤羽さんのセミナーでも、営業活動は別、とくくられていました。
ただ、成果を出すための思想・行動について、一定度は形式知化・言語化できるとも思います。
さて、前置きが長くなりましたが、僕がこの3ヶ月意識していたことを書いてみたいと思います。
それは『買って頂くための「理由」を創る』ことです。営業は、説得型だの、ヒアリング重視型だの、駆け引き型だの、成果を出すためのルートは人それぞれと言っても過言ではありません。
でも、どのルートの中であっても、共通する要素があります。それは「買うための理由」です。お客さまは、何らかの理由を持って、商品を購入します。たとえそれが直感であってもです。決意するからには何らかの理由を基にした、意思決定が働いています。だとしたら、営業場面でのコミュニケーションを「理由を創る」ことに絞り込んだらどうだろう?と考えたのです。
言われてみれば当たり前ですが、説得やヒアリングや駆け引きも、言わばどれも買って頂く理由を創っていくためのプロセスや手段に過ぎません。とはいえ、僕も以前は、好きかつ性に合うという理由から、ヒアリング型の営業に特化していました。
しかし「理由を創る」ということだけにフォーカスした結果、手段は時と場合に応じて選択できるようになり、お互いにとって不必要なお客さまとのコミュニケーションも少なくなりました。これは、原則として、商談における全てのコミュニケーションを「理由を創る」ことに絞り込んだからです。
具体的には、商談中において、お客さま自身の言葉で、買う理由を、創る、探す、気づくことができるよう、コミュニケーションをとっていきました。
こう聞くと、何だか味気ないものに移るかもしれません。また、誘導的に移るかもしれません。でも、実際の商談は決してそうではありません。もちろん雑談もしますし、一見、目の前の商談と関係ない話もします。あくまで原則という前提付きです。
また、商談自体は、こちらからの説明は極力押さえ、その後はお客さまが欲しいと思う理由、今のままでは欲しくないと思う理由について会話をしていくことが中心になりますし、こちらとしては理由の中身自体にこだわりがある訳でもないので、端から見ると自然な会話になっていると思います。
うまく行く商談というのは、お客さまの持つ「買うための理由」がかなり明確に共有される状態になります。逆にうまく行かない商談は「買うための理由」が創れていないケースはもちろんのこと、そもそも「何で買いたいと思っているか」逆に「何で買いたくないと思っているのか?」があやふやなケースが多いです。
今後、普段の営業活動の中で「買って頂くための理由を意識したかどうか?」また「理由の量と質」という点にスポットを当てて振り返りをすると、より成果が上がるかもしれません。