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押し付けや解釈なくコミュニケーションするためには?

tiger82 / Pixabay

今日から「クリーン・ランゲージ」というコミュニケーション手法のトレーニングに参加しています。トレーニングは始まったばかりですが、復習も兼ねて初日の学びや気づきをまとめてみます。

 

クリーン・ランゲージとは何か?

そもそも「クリーン・ランゲージ」とは何でしょうか?今回のトレーナーでもある松田依子さんのブログから引用してご紹介します。

クリーン・ランゲージとは、ニュージーランドのマオリ族出身の心理学者デイヴィッド・グローブが開発した、新しいコミュニケーションの技法で、それは「クリーンな質問」と呼ばれる質問で構成されています。

デイヴィッドは、トラウマに苦しむ人々の治療に当たる中で、彼らが自分の内面で起こっていることをメタファーを使って表現し、そのメタファーの中にいると、それにより自分の内的世界をより直接的に体験し、気づきを得ることで、心の傷を癒して変容させることができることを発見しました。

一方で、デイヴィッドは、セラピストの言葉が、しばしばクライエントの言葉を曲げて「汚染」してしまい、彼らがメタファーによって表現しているの真の体験を「略奪」してしまうことに気づきました。

そこで彼は、クライエントが語るメタファーを「汚染」「歪曲」せずに発展させるための一連の「クリーン」な質問を、作り上げたのです。

つまり、相手の考えを解釈を交えずにそのまま受け取り、かつ、より洞察を深めるための特殊な問いかけを行う手法になります。

 

なぜ、クリーン・ランゲージを学ぼうと思ったのか?

実は数年前に「クリーン・ランゲージ」の本を読んでいたのですが、その時はいまいち良さが理解できず、完全にスルーしていました。

ただ、ここ最近、僕の周りでクリーン・ランゲージが流行り始め、習った人や体験した人が揃いも揃って「よかった!」と言うので、「だったら一度学んでみてもいいかもしれない」と思い、今回学んでみることにしたのです。

 

クリーン・ランゲージは何が良いのか?

まだ学びはじめなので、これから考えが変わる可能性はありますが、クリーン・ランゲージの優れた点についてまとめてみます。

何と言っても特徴的なのは「思いや価値観など、本来言葉にし得ないものを純度高く扱えること」です。いわゆる潜在意識や無意識は、言葉にすると抜け落ちてしまったり、表現しきれない部分が出てくることがよくあります。

理念やビジョンを言葉にすると、どうも空虚なものになってしまうのはこの辺りの事情が背景にあります。

これを回避するために、よく活用されるのは言葉を使わずに表現する手法(プロセスワークなど)です。「言葉を使わない」とは、例えば身体やツールを用いて表現するということです。

しかし、「会社のビジョンを身体で表現してみましょう!」「会社の理念をレゴブロックで表現してみましょう!」といきなり言われた場面を想像して頂くとすぐに感じるように、このやり方は抵抗が起きることが多いです。(非言語的なものは本来非言語的に扱うのが最もパワフルなので、この手の手法が使えるに越したことはないです)

一方、「クリーン・ランゲージ」は冒頭の引用にあるように「言語を用いながらも相手の言葉を汚染・歪曲せずに扱う」ことで、潜在意識や無意識の持つエッセンスをそのまま言葉にすることができます。特殊な問いかけを行うため、慣れないうちは戸惑いもありますが、それでも「言葉を交わす」という通常のコミュニケーションの枠内の中でやりとりができるので、抵抗が緩和できます。

もちろんコーチングにも使えますが、それ以上にビジョン策定や浸透などの、組織開発に使えそうだという印象を強く抱きました。これらは様々な人に共有していくために、また、具体的なアクションに落とし込んでいく必要があり、そのためには必ずどこかで言語化を経る必要があるからです。

少し癖のある手法ではありますが、状況を特定して構造化すれば、普通の人でも活用できるものとすることは出来そうです。

明日以降も学びを深め、どんな場面でどんな風に使えるか、バリエーションを増やしていきたいです。

 

 

 

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