先日「Ⅲ」のコンサートに行ってきた。コンサート自体はとても盛況で、演奏も素晴らしかった。
さらに、なんとコンサートの最後にドラクエシリーズの作曲者、先生が登場。
会場は更に盛り上がり、その雰囲気の中、先生指揮のもとが演奏されることとなった。
この演奏が凄まじかった。「次元が違う」というのはまさにこのことを指すのだろうと感じた瞬間だった。今回はこの時のことをもう少し詳しく書いてみたい。
明らかに場の空気が変わったのは、すぎやま先生が指揮棒を振った瞬間だった。
演奏前まではすぎやま先生が登場されたこともあり、全体的に興奮気味(ドラクエ風に表現をすると「テンションが上がった」)だった場が、指揮棒を振った瞬間、一気に静まり返った。
そして、先ほどまでとは明らかにレベルの違う演奏が繰り広げられた。たとえどれだけ練習したとしても、あのレベルの演奏はできないと感じさせるほどの差だった。
と言っても、もちろん演奏する楽団は変わらず、曲自体も、実はこの数分前に全く同じ曲が演奏されていた。だから、演奏の質はそう変わるはずがない。
にも関わらず、先ほど聴いた音とは全く異なる音がそこにはあった。
もう少し具体的に書いてみると、僕にはこんな風に聴こえた。
・音の響きがクリアになっている
・全体的にキレが増している
・音が動きを持ち、立体的になっている
すぎやま先生の熟練した指揮ということもあるだろうが、何か別の変化が起こっていると感じさせるほどの変化であった。
これはあくまで僕の仮説だが、場全体の意識が一段深い所へシフトしていたように感じた。どういう所にシフトしたかというと「最高の演奏をしたい/聴きたい」という意識だ。それが場全体に影響を与えて、あれだけの演奏が生み出されたのだと思う。
おそらく「すぎやま先生が指揮をする」ということがトリガーになり、会場全体の意識をシフトさせたのだろう。こう考えていくと、次元の違う変化を生み出すためには、いくつかの条件が重なることが求められそうだということに気づく。
②願いを受け止められるだけの器=価値観を体現するリーダー(今回で言えば「
先生」というリーダーの存在)③その願いを表現できる場(今回で言えば「コンサート」そのもの)
ここから分かることの一つは、大きな
トが生まれるようなことは、一人のリーダーだけでは実現出来なさそうだということ。ビジョンだけでもダメだし、リーダーだけでもダメ。3つが揃って初めて「次元の異なる変化」が生み出される。今回の経験は、単に素晴らしい演奏を聴けたという経験に加え、次元の違う変化を生み出すためには?という点においても大変貴重な経験だった。
リーダーの育成だけでなく、場の創造や心の奥底から生まれるビジョンを創り出すための方法論についても、今後探究していきたい。
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