ビジョンクエストに参加して(前編)

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2019年10月にビジョンクエストなるものに参加した。「どんな体験だったのか?」、3か月ほどたった今、自分なりの言葉でまとめてみます。

実はビジョンクエストのことはむやみやたらに外に出さないようにと言われています。それは秘密保持というわけではなく、エネルギーが逃げてしまうからだそうです。

ただ、ビジョンクエストで気づいたことについては分かち合うと良いとの話もありました。

そこで、ここでは「すべてのことをつまびらかに」という意図からではなく、「今後参加する人にとっての参考や、参加を迷っている人の後押しになると良い」という意図から書いてみますそれは、一人でも多くの人がビジョンクエストに参加したら良いと考えているからです。

まずは「ビジョンクエストとは何か?」について簡単にまとめます。

ビジョンクエストとは?

ビジョンクエストは、もともとはネイティブアメリカンが成人になる際の儀式です。民族によって違いはあるらしいのですが、自然の中で何日か過ごし、「自分は何のために生まれてきたのか?」(=ビジョン)を見出す儀式であることは共通しているようです。

今回参加したビジョンクエストも、大枠は同じです。ビジョンクエストに入る前のセットアップとして2日間、ビジョンクエスト本番で6日間、その後の1日間、計9日間を自然の中で過ごしました。

ちなみに、ビジョンクエスト中は電子機器の持ち込みは禁じられています。携帯電話や時計無しで10日弱を過ごすことは不安でしたが、いざやってみると、あっという間でした。

ビジョンクエストに参加した理由

ビジョンクエストへの参加はもともと予定していたものではなく、たまたまお誘いを受け、スケジュールの都合も付きそうであったため、急遽決まったものでした。

ただ、これはあくまで顕在意識の考えであり、本当は潜在意識の中で行くことを選択していたのだと思っています。

そういうこともあり、参加する前にあれこれ考えたり、悩むのは時間のムダだと、参加した後では思います。行けるのならどんな障害があるにせよ行くことになるし、行かないことになっているのであればそのような現実になる、ただそれだけです。

ビジョンクエストの流れ

ここからは実際の流れに沿って、ビジョンクエスト本番の6日間を僕がどんな風に過ごしたかをご紹介します。 でも、ビジョンクエストでの体験は人それぞれです。以下に書いたことと同じ体験をする人はいないはずです。あくまでひとりの体験談として読んでみてください。

1日目

1日目は午前中にビジョンクエストを行う場所に移動し、お昼から午後に掛けてテントのセットアップとワークを行うことでほぼ終了です。 ビジョンクエストは、一人ひとり独立したスペースで行います。独立したと言っても、自然の中なので壁などはありませんが、他の参加者のことを気にしなくてよいように、一定の距離が保たれています。 自分の場所に移動したのちに、最初の儀式についての説明を受けます。土地に入る挨拶を行う儀式で、僕はじっくり取り組んだこともあり、体感では1時間ほどは掛けていたような印象があります。 その後テントを設営し、あとは環境に慣れることも兼ねて、自分の土地を隅から隅まで散歩をしたり、景色を眺めていました。合間に課題として与えられたワークを行ったりしていましたが、午後はほぼこのために時間を費やし、あっという間に夕方になりました。 夜はおおよそ7時ぐらいになると日没していた(ようです)。夜になると真っ暗になるとできることも限られます。慣れない環境での疲れもあり、早めに寝ることにしました。 ちなみに、昼間は20度以上になり、日差しも強いのですが、日が沈むと気温が一気に下がり、夜になるとゼロ度近くになります。この寒暖差に慣れることにも数
日掛かり、最初のうちは寒さに身体がなかなかなじめませんでした。

2日目

寝ている中でも寒く、おそらく1時間~2時間おきに目が覚めます。だましだまし過ごしながら、日が昇るのと合わせて起床しました。時間にして8時~9時ごろだったようです。 日の当たるところにいると暖かいので、谷が一望できる眺めの良い場所に椅子を置いて、たっぷり瞑想からスタートしました。午前中は瞑想でクリエイティビティが高まったので、降りてきた言葉をノートに記しながら、また瞑想してを繰り返して過ごしました。 そんなこんなしていると、2日目のワークについてのレクチャーの時間になりました。1日目でのワークをベースに、さらに丁寧に過去を振り返るようなワークでした。 でも自然と会話をしたいという気持ちが湧いていたので、ワークはいったん脇に置いて、ひたすら自然と対話していました。この時間は豊かで何物にも代えがたかったです。自分の土地の入り口近くにあった木と対話をしていました。対話と言っても言葉はなく、ただ感情の源のようなものをやり取りしている感覚です。対話をする中で、ただただ涙があふれてきました。嬉しいとか、悲しいではなく、自分の中にあるものをただ分かち合って、共有できたところから来る涙です。
このプロセスの後、より時間の流れがゆっくりになり、風景がより鮮やかに見えるようになりました。
自分の歩くスピードもだいぶ遅くなりました。「静けさがある」感覚が腑に落ち、これが本当の「スティルネス」なのだと気づいた。(それまではただ心が静まればスティルネスになるという感覚) こんな風に過ごしていると、あっという間に夜になっていきます。自然と対話をしていた分、ワークが遅れていたので、夜、テントの中でワークを進めました。夜はあまりやることがないのでワークを進めるにはいい時間だなと、このタイミングで気づきました。こうやって日常からの発見を活かして、過ごし方をアップデートしていくのもひそかな楽しみでした。

3日目

起床後、午前中のうちに残っていたワークを進めました。右脳的な感覚も使いながら、自分の人生を振り返っていきます。過去を振り返るワークは何度もやってきましたが、今回のワークは少し趣向が異なっていたこともあり、新発見があって、面白かったです。 ワーク終了後は、2日目に続き瞑想からのノートテイキング。この時間はかなり豊かで貴重。過去を振り返っていったこともあり、自分のビジョンについても自然とエネルギーが向かいます。

4日目

午前中は定番になってきた瞑想+自然と対話+ノートテイキングをゆったりと行いました。記述量が日に日に増えていくのが目に見えてわかります。無理やり記述量を増やしている感覚は無く、自然と書き留めることが湧きあがってくる感覚でした。 午後はこの日のワーク。テーマはヒーリングでした。ヒーリングするテーマは1個~2個で良いと言われたものの、思いつくままに7つのテーマでワークを行いました。ただ、ワークをしても、背中や肩に凝りが残り、イマイチ抜けきっていない感覚だったので「まだ何かありそう」と声が聞こえ「まだ扱っていないテーマは何ですか?」と聞いてみました。すると「自分自身」という内なる声が聞こえてきて、その声を頼りに、自分自身をテーマにヒーリングを行ったのです。 これがドンピシャで、2日目以降も実は毎日泣いていたのですが、2日目を上回る深い繋がりを感じ、号泣してしまいました。自分の声を聴いて日々を過ごしていたと思っていましたが、まだまだ拾っていない声がたくさん出てきたのです。日々感じたいたそこはかとない裏切り感覚やうしろめたさもここと繋がっていたことに気づくことができました。 このワークの後、これまで存在はしていたものの、繋がりを薄くしていた自己の一部(小さな自分)との繋がりができた(意識的にコミュニケーションできるようになった)+身体の違和感が消えたことには驚きました。 このワークが終わって、自然と対話をしていたら、こうもりが飛んできました。ビジョンクエストの中に現れる動物にはそれぞれメッセージがあると言われており、こうもりは「死と再生」を象徴するそうです。この日に起こったことからも、これまでの自分が死んで、新しい自分に生まれ変わることの示唆だと感じました。

5日目

この日もひたすら自然と対話していました。 明らかプレゼンスのある岩があり、ビジョンクエスト初日から気になっていたのです。タイミングが来るまで、会話は待とうと思っていて、5日目に入ったところで「そろそろタイミングが来たかな?」と、5日目はその岩とひたすら対話をすることにしました。 後でこの岩のことを聞いたら「母なる地球」の象徴とのことでした。存在感があるわけだと、深く納得しました。なお、ここでの対話は秘密にさせてください。 日が落ちてからは、自然に向かって自分が手放すものと、ビジョンを宣言するワークがありました。宣言が終わった後、星空を眺めて、また号泣しました。魂が探していた情景がそこにあったという感覚でした。

6日目

最終日は午前中で終了で、午後は振り返りや完了の儀式です。身支度は朝のうちに済ませてしまい、あとはひたすら瞑想をしていました。 お昼前にお呼びが掛かってビジョンクエストが終了しました。戻ってからは参加者全員でチェックアウトです。ここで、思いもよらぬ言葉が自分から出てきて自分でもびっくりしました。チェックアウトでこのような深い意識になることは珍しいのですが、今回はそれが訪れました。

参加してから感じたこと

ものすごく特別なワークがあるわけでもなく、ただ自然の中で過ごすだけで、どれだけのことが起きるのだろう?と参加前は考えていましたが、エネルギーが充実している場の中にただただ身を置くということは思いのほかインパクトが大きかったです。 先にも書きましたが、人によって起こることは異なり、ビジョンが見えるか、見えないかも人によるだろうと思いました。僕の場合は「見える」感覚ではなかったのですが、「方向性」は明らかに濃くなりましたし、そのビジョンは自分の想像を超えたものでした。 そのビジョンは、今でも「自分がやりたい」とはあまり思える感覚では実はありません。ただ、どこかで自分がやらなければと感じられ、ワクワクというよりソワソワする感覚があります。 ビジョンクエストは「誰もが参加するものではない」と言われており、その意味は参加したからこそ掴めるものでもあります。チャンスが巡ってきた人には、ぜひ勇気をもって一歩踏み出してほしいです。

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