プロフィール

プロフィール

氏名:菊地大翼(きくちだいすけ)

職業:人材育成コンサルタント

経歴:ユニティブコンサルティング代表。1985年福島生まれ、東京育ち。人材育成コンサルタント。大学卒業後、人材育成コンサルティング企業に入社。業界トップクラス企業への人材開発や組織開発を切り口とした提案と実行を担う。2014年からは新規ソリューションの開発を担当。最先端の人材育成や組織開発の研究・実践を元に、研修やワークショップ、サーベイ等の開発に携わっている。ライフワークとして、ワークショップデザインのプロボノ・コンサルや「自分の教科書をつくる読書会」を開催。

資格:TLCCP(ザ・リーダーシップ・サークル・認定プラクティショナー)CTI応用コース卒業

 

インタビュー

以下に以前インタビューをして頂いた記事を許諾の上、転載しています。こちらを読んで頂くことで、より私の想いや大切にしていることを知って頂けるかと思います。


ーー現在の仕事内容を教えていただけますか。

菊地(敬称略):企業の人事部研修担当者がお客様で、人材育成の課題解決の提案を行っています。

顧客企業や部署の課題をヒアリングし、関係性を築きながら、研修の提案が通れば、自社と契約のある講師と調整し、研修コンテンツを制作している部署と協力しながら内容を固めていきます。研修当日の運営に携わることもあります。意図通りの場になっているかを顧客や講師に確認し、受講者の反応を振り返り、今後の研修の企画運営に生かしていくという流れです。

プログラムも多様で、新入社員から経営者相手の階層別研修もあればコミュニケーションやロジカルシンキングといったテーマ別研修、そしてダイバーシティーなど新規の研修も扱います。

ーーやりがいを感じる瞬間はどんなときでしょう。

菊地:お客様の期待を上回ったときですね。

研修の現場で感じるものももちろんありますし、「この企業では○○が真の課題になっている」という見立てのもと研修プログラムを組み立てるので、見立て通り、もしくはそれ以上に受講生の業務の姿勢や、その企業の業績に変化が生まれたときに、喜びを強く感じます。

一方、顧客企業になかなか理解されづらいけれど本質的に必要なプログラムを導入することが難しい場合には歯がゆさを感じるときもあります。

顧客企業は商社、金融、メーカー、ITなど業種も規模も様々ですが、お客様から引き出した知見や普段の研究をもとに業種・企業ごとの特徴やパターンをあぶり出し、仮説設定に活かすという姿勢も大事になってきます。

ーー組織開発・企業教育に興味をもたれたきっかけは何かあるのですか。

菊地:大学時代に塾講師をしており、 自分の指導で生徒に変化が生まれるのを見るのが好きだったというのはありますね元々、書物や経験から得た学びを言語化・体系化し、伝達することが何となく好きでしたね。あとは間接的には中学校や塾の先生の影響もあるかもしれません。教わっていてすごい!と思う先生たちに対して良いイメージをもっていました。

ーー印象に残った先生っていらっしゃいますか。

菊地:生徒や保護者に対してマネジメント力がある中学校の担任の先生のことは印象に残っています。生徒一人ひとりにスポットライトがあたるような活躍の場を与えて、良いところを褒めて生徒の心をつかみ、叱るべきところは叱る。他の先生も一目置いているようでした。先生のマネジメント・リーダーシップのおかげからか、イジメもなく、まとまりのあるクラスだったと記憶しています。

また、塾の先生も専門性を突き詰めているという点で、すごいなぁと思う先生がいました。教材も作りこんでいたし、授業で選ぶ問題の内容、タイミング1つ1つに意図がある。そうしたプロフェッショナリズムに惹かれますね。

ーー大学時代は社会学部でどんな研究をされていたのですか。

菊地:CSRやソーシャルアントレプレナーといったテーマを扱う研究室に所属していましたが、いろいろと勉強していました。

思い出深いのは、ドキュメンタリー映画監督へのインタビューやアンケートを行ったプロジェクトです。山形ドキュメンタリー映画祭という、国際映画祭があるのですが、人の内面のドロッとした、理屈では片付かないところに触れられるのが醍醐味で、公共に出しにくい非日常に触れて「こんな世界があるんだなぁ」と思いましたね。

これも、好奇心旺盛さの成せる技というか、人の本質に関わっていくという点で今のライフワークに間接的につながっている気がします。

ーー「人の本質」ですか。
今の会社や職種を選ばれた理由とも関係がありそうですね。

菊地:そうですね、元々組織人事コンサルを中心に就職活動をしていおり、今の会社を選んだのは企業ビジョンに共感したのが決め手でした。プロフェッショナルが多いこと、そして、問題解決に携われることがコンサルを志望した理由です。物事をより良い状態にしていく「最上志向」が強いというのも関係していると思います。なぜコンサルの中でも組織人事や企業研修の分野かというと、社会を良くするときに「人」の切り口がキーになると考えており、子どもは大人の影響を受けるのでまずは大人への教育が不可欠だと考えたというのが理由です。


ーー菊地さんは企業研修の仕事だけでなく、プライベートでもキャリアに関するワークショップや読書会の企画・開催をおこなっていらっしゃいますが活動の主軸はどこに置いておられるのですか。

菊地:実感としてはアウトプットとインプットの比率が2:8でもっともっとアウトプットに繋げていきたいなと感じています。元々勉強会やワークショップに参加したり読書したりというインプットが多かったのですが、インプットの蓄積が溢れだしたものをアウトプットにしていこうとする途上です。

今はワークショップ開催がメインですが、いずれは社会性の高いテーマでフューチャーセッションをやりたいですね。

ーーその原動力はどこからくるのでしょう。

菊地:飽くなき好奇心と、自分に足りない部分を補いたいという思いでしょうか。でも「足りないから取り込む」というのは reactive な振る舞いなので、周囲に還元するという動きを伴わず、「取り入れることが目的」になってしまいがちです。やはり人や世界に働きかけること、何らかの貢献につながることが必要だと思っているのでもっと active な意味づけをもって行動に移していきたいですね。

ーーここまで力を注げる理由が気になります。

菊地:人が行動だけでなく内面から本質的に変化するのを見るのが好きなんですね。目に見える行動だけが変化しても表面的に終わってしまうことが多いので、内面の変化に行きつくかどうかという視点を大事にしたいんです。内からも外からもバランスよく働きかける人を目指したいと思っています。

ーーお話していると、菊地さんは論理と感情のバランス感覚が素晴らしいなと感じるのですが、
バランス感覚はどのように磨かれたのでしょうか。

菊地:元々、ザ・論理というか左脳寄りだったことへの反省があります。感情を扱うことへの苦手意識がありましたが、左脳的アプローチだけだと、ともすれば人を傷つける恐れがあり限界を感じたからです。心の底から納得していないと、違和感をもったまま変化に追い立てられるというか。

ーーなるほど…。 これまでに「挑戦してみてよかった!」と思うことはありますか。

菊地:「場づくり」ですね。
キャリアや価値観に関するワークショップのファシリテーターという立場に立つのは初めてだったので、ワークショップの企画や運営は仕事柄おなじみですが、仕事はあくまで顧客のリソースや会社のコンテンツを使いますし、人の土俵に立っているところがあるので、仕事外での「場づくり」は手ごたえが違いますね。自分が一から生み出しているという感覚がありました。
今の方が好奇心旺盛さは増しているというか、興味あるものに飛び込んでいく余裕がありますね。
踏み込んでも損はないという思いが後押しになっているのかなと。

ーーファシリテーターとして大事にしているものは何ですか。

菊地:自由で安全な場づくりですね。
参加者が言いたいことを気兼ねなく言える環境にしたいですし、人生にとってプラスな気づきをお土産として持ち帰ってもらえるように心がけています。

ーーファシリテーターに向いている人ってどんな人だと思いますか。

菊地:そうですね…自分をもっている人でしょうか。
ファシリテーターは「場」に貢献する黒子的な役割をもつので逆説的なのですがみんなの意見をただ肯定するだけでは参加者のエネルギーが混乱してしまう。なので、個々人の考えを交通整理をしつつ、ファシリテーター自身の軸をもとに人から本音や真の価値観を「引き出す」ことが大事だと思います。プロは一挙手一投足に意味をもたせるという領域に達していますしね。

ーーそうした力はどうすれが磨けるのでしょう。

菊地:場数もありますが、一番効果的なのはフィードバックでしょうね。ゴールへの働きかけが参加者に響いたかどうか検証する。受講者の反応を見て、自分の意図した効果が出ているかを調べて、今後に活かしていく。スキルの上達という面もありますが、ファシリテーターとしての内面的資質を磨くという面が大事だと思っています。

ーー最後に将来のビジョンを教えてください。

菊地:「人と組織のギフトを解放する」というプロジェクトの芽を開花させることです。まだ友人と構想を練っている段階なので具体的な方法が決まっているわけではありませんが、個々人や組織が本来もっている良さや才能を表現するお手伝いができたらと思っています。

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