リクルートは起業家を継続的に輩出することで有名な企業です。リクルートは社員一人ひとりの個が立っていることはよく知られていますが、それだけで起業家が輩出されるわけではありません。リクルートでも様々な人事施策を打っています。今日は、そんなリクルートの人事施策を紹介した記事について触れてみたいと思います。
【第1回】リクルートホールディングス
「起業家精神を持ち、成長し続ける人材」をいかに育てていくか?
以下、記事からの引用です
「圧倒的な当事者意識」という言葉が、リクルート内ではよく使われます。日々、仕事を進める中で、「お前はどうしたい?」と問うのです
一人のメンバーの人材開発の議論を、縦のラインの上司(課長・部長)だけでなく、隣のグループの課長・部長などを含め、組織の全ての課長・部長で議論すること。その結果、例えば、隣の部署の課長に対して、「彼とは1ヵ月に1回くらい接点があるけれど、この辺が少し弱いと思う」というような人材開発に対する責任感が出てきます。つまり、一人を皆で育てるという風土を形成しているんです
リクルートでは、人の採用、育成、配置、評価などに対する力の入れ方が、半端ではないのです。HRマネジメントを行うためには、しつこいことは当たり前だと思っています。裏を返せば、従業員一人ひとりが必ず成長するものであると信じ、期待し続けているとも言えます
まず、当事者意識についてです。「どうしたい?と問う」というシンプルなアプローチが紹介されていますが、実際にこのようなコミュニケーションをとっている会社は少ないのではと思います。「どうしたい?」と聞いてもその答えが会社で出来ないことだったりするからです。また、「会社はやりたいことをやる場ではない」という思い込みを上司が持っていると、この問いかけは生まれません。
しかし、全てが実現できないわけではなく、背景をよく聞いていくことで、実は目の前の業務でもやれることが見つかったりします。一方で、聞かれる側も、全部が実現できるわけではないと考え、話していたりします。ただ、リクルートの強さは「やりたい」と言ったことを実際にやらせることができる所にあるのですが。。。
さらに、このやり取りを若手の内から積み重ねているという所もポイントです。管理職やリーダー人材には「ビジョン」や「想い」が求められます。人を率いていく必要があるからです。でも、一定以上の年次になってから「どうしたい?」といきなり聞かれても答えられないことがほとんどです。だから若い内からこのやり取りを重ね、WILLを育んでいくことが大事なのです。
そして、人の育成に時間と手間を掛けるということも外せません。最近、ヤフーなど人の育成や組織づくりを精力的に会社が紹介されるケースがありますが、ほとんどのケースにおいて人材育成を全社的な仕組みにしています。グローバル人材育成やダイバーシティマネジメントなど、様々な手法やアプローチが取りざたされますが、その前提には上記にあるような「しつこさ」が必要です。この「しつこさ」を抜きにした施策はどんなに優れていても機能しません。
逆に考えれば、上手くいく施策というものは、「しつこさ」に耐えられる施策や仕組みになっています。これは何も人事施策だけに限らず、何かを成功に導くにあたって共通するポイントではないでしょうか。
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