先週、ほぼ一週間を掛けて、「First Peace Circle」というプログラムのトレーニングプログラムに参加していました。
「First Peace Circle」は、古代マヤ文明とネイティブ・アメリカンから受け継がれている、平和を創り出すための知恵を学び、実践していくムーブメントです。そのムーブメントを広げていくアプローチとして、ワークショッププログラムがあり、今回はそのワークショップをファシリテーションするためのトレーニングとしての位置付けでした。
プログラムは、古代から受け継がれてきたストーリーや、原則と呼ばれる知恵を体感するためのエクササイズや探求を伴うダイアログを通じて、自身の内側からの平和と調和を取り戻していけるよう構成されています。
今回、「First Peace Circle」のコアコンセプトでもある「内なる平和が外なる平和に映し出される」に共鳴して参加することにしました。
「First Peace Circle」のコアコンセプトについて
「First Peace Circle」についてもう少し詳しく紹介します。以下はワークショップの中でもシェアされる言葉の引用です。
- もっとも重要な最初の平和“ファーストピース”は、人の魂の中に生まれる。人々が宇宙(ユニバース)やそこに宿るすべての力との間に、つながりや一体感を見いだせたとき、その平和は生まれるのだ。宇宙(ユニバース)の中心に、大いなるスピリットであるワカン・タンカが宿り、しかもその中心はいたるところにあり、われわれ一人ひとりの中にもあることを理解したときに生まれるのだ。
- これが、真の平和であり、他はその反映にすぎない。二番目の平和“セカンド・ピース”は二人の人間の間に生まれる。そして三番目の平和“サード・ピース”は、二つの国の間で起こるものである。
- しかし、とりわけここで理解すべきことは何度も言うように、真の平和は一人ひとりの魂の中にあるということだ。それに気づかない限り、国と国の間に平和が訪れることは決してないだろう。
- ブラック・エルク (18世紀 オグララ スー族 スピリチュアルリーダー)
「First Peace Circle」の中でも最もカギとなる部分です。学びと体感を通じて、何度も立ち返りながら、この言葉の理解を深めていきます。
どんな体験だったのか?
まず前半は自分たちが「ファーストピースサークル」を体験しました。その中で印象深かったこととして挙げられるのは、場のデザインやインストラクションの仕方です。
ネイティブ・アメリカンは口伝で教えを伝えてきた歴史があります。そのため、文字に頼らず、内容を伝える技術が発達しているのです。ワークショップのデザインも、ストーリーの活用、体験を伴い言葉ではなく体感から理解を促すワークや、探求に誘う問いなどが、巧みに設けられ、自然と記憶に残りやすいようになっています。
いま、企業研修などでも取り入れられているダイアログの源流も、ネイティブ・アメリカンの営みにあります。ただし、彼らは、宇宙(ユニバース)と共創造するために、そういった術を発展させていきました。一方、現代の企業では、論理や技術では解決できないことを解決するために、ダイアログなどの技術が用いられています。この源の違いは非常に大きいと考えています。
さて、少し話題が逸れました。後半は、実際に自分たちが場を創っていくための実践が主でした。エクササイズを考えたり、実際に一部をファシリテーションして、フィードバックを貰ったりしました。このプロセスを経ることで、急速に理解が深まる体験がありました。
参加する中で響いたこと
ここから、参加する中で個人的に印象深かったことを紹介してみたいと思います。
一つは、ユニバースという世界観です。すべてを創り出す元となるもの、というような理解をしています。道(タオ)という概念に似ているように思いますが、安易なラベリングは控えたいと思います。
参加する中で感じたのは、ネイティブ・アメリカンやマヤ文明に生きる人たちは、私たちの普段の生活を支配している因果とは別の因果があることを明確に知っていて、それを生きていたのではないか?ということです。その確信度合いの深さが「First Peace Circle」の内容やエクササイズに色濃く反映されていたように感じます。その因果への理解を深めるために「First Peace Circle」に参加してみる、という選択も十分アリなように思います。
参加してみてどうだったか?
最後に参加してどうだったか?についても述べてみたいと思います。
今回参加して、いきなりすぐに何か変化があったかというと、実はあまり無いように思いました。ただ、参加して一週間ほど経つ今では、感覚の変化を感じています。「First Peace Circle」の世界観が自分の場に生まれた感覚があるのです。例えて言うなら、大きな船の舵を切ったような感覚でしょうか。目の前の景色が一変するわけではありませんが、向かう方向は確実に変わっている、みたいな感じです。あまりこれまで体験したことのない何とも言い難い不思議な感覚です。
今後は、一緒に参加した仲間と力を合わせて、ワークショップの開催にチャレンジしてみたいと思います。その際には、またこの場でもお知らせができればと思っています。
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