片付いていない仕事を脇に置きつつ、今日は「ハーバード・ビジネス・スクール最前線100年に1度のカリキュラム大改革で生まれたプログラム「フィールド」~ ケースメソッドだけでは習得できないスキルを学ぶ ~」というイベントに行ってきた。
これまでケースメソッド教育が主体であったハーバードビジネススクールにおいて、最近新しく取り入られたプログラム「FIELD」についての紹介が主の内容であった。
まず、簡単に「FIELD」の全体像を紹介してみたい。
こうやって眺めてみると、実は新しい教育学的なテクノロジーはほとんど使われていない。この事実は登壇者のハーバード・ビジネス・スクール日本リサーチ・センターの方も認めていた。せいぜい、最後のマイクロビジネスプロジェクトが、やや新しいという印象だ。
そのため、ここで注目したいことはこのプログラムの中身そのものではない。本当に興味深いことは、これまでケースメソッドを(おそらく世界で最も)追求してきたハーバードビジネススクールが、フィールドワーク型のプログラムを採用したことにある。
ハーバードビジネススクールはこの「FIELD」はケースメソッドを否定するものではなく、補完であると言ってはいるらしいが、やはりどこかでケースメソッド型の限界を感じたのだろう。
ケースメソッドは、自分が未経験の出来事における、抽象度と純度の高い「因果律」を学ぶには適している手法であるが、これはあくまで過去からの学習である。
一方フィールドワーク型は、必ずしもセオリーを学べるわけではないが、失敗から学ぶことや、その場で起こっていることを観察し、そこから何かを感じ取り、素早く行動に移していくというセンスが磨かれる。
今回のプログラム改訂から言えるコトとして、複雑化する世界への変化を受け、経営者の資質として、過去の因果律だけでなく、いま在る所から学ぶこと、失敗から学ぶことが重要であると、ハーバードビジネススクールが認めたと言っても過言ではないだろう。
この「FIELD」の考え方自体は、一人ひとりが日常で十分に実践できる。将来的にはこんなプログラムデザインが、むしろ当たり前になっていくのだろう。
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